東京23区の半分以下の面積(271.7㎢)の面積の市内に、人口約250万人が暮らす台北。人口密度は約2倍なので、公共交通機関でも回り易いコンパクトシティだけども、その中でも特に乗りこなせたら便利なのが路線バス。
停留所は割と頻繁にあるため、地下鉄の駅からは10分、15分は歩かなくてはいけないような場所でも、バスが乗りこなせれば徒歩5分圏内まで行くことができるし、意外に、台北駅からでなくとも深夜バスがあちこち経由して走っているので、深夜発着のLCCで弾丸旅行に出かける時にも重宝している。
台湾で使える交通系ICカードのメリット・デメリット
旅行者にとっては地味にハードルが高そうな台湾の交通系ICカードには、メリットもデメリットもしっかりある。
地下鉄の券売機では大きなお札が使えなかったり、バスではおつりが出ないけれど両替してくれるシステムも無い台湾で、4日以上過ごすなら交通系ICカードの購入を検討しても良いかもしれない。
その都度、金額を確認して支払いをする必要が無いのはやはり快適だし、小銭を持ち歩かなくても良いのも快適だ。しかし、割引サービスの適用方法が変わり、ひと昔前よりも旅行者が交通系ICカードを持つメリットは減ってしまっているので、やはり、用途や使い方に合わせて購入を検討するほうが良いかもしれない。
小銭不要で快適移動♪交通系ICカードのメリット
交通系ICカードの1番のメリットは、バスや地下鉄、コンビニエンスストア等で使うための小銭を持ち歩く必要性が少なくなること。「屋台や夜市では結局小銭使うよね?」と思うところだが、何より便利なのは、帰国前に小銭を全てをICカードにチャージできる点だろう。
地下鉄の駅にある券売機では細々とした金額でもチャージができるので、現地の通貨を最後に余らせたために無理をして使ったり、妙に重いのに持ち帰ったりする必要が無いというのは、かなり心強い。
チャージしたカードの利用期間は20年。これだけ長く使えれば、例え自分で使わなくとも、次台湾へ行く人にあげる機会にも恵まれるはずなので、無駄にはならない。
短期旅行にはちょっと不向き。交通系ICカードのデメリット
デメリットは、返金されない純粋なカード代金100NT$(400~500円)で、これに尽きる。(2024年11月現在)
昔は、カード代金を支払っても乗るたびに20%割引などが適用されていたので、利便性と快適性、どちらの面から考えても、短期旅行者も購入した方が良かった。(し、そういう、買った方がいい!みたいなブログの方が多いような……。)しかし、現在は、割引が適用されるのは月内に11回以上乗った場合のみ、それも乗車回数によって10%、20%と割引率が上がっていくので、完全に在住者向けのカードになった感がある。
「短期旅行者だけどめっちゃ乗るし!」という人は1日乗車券NT$150とか、2日・3日乗車券NT$280、NT$380とかもあるので、「絶対台湾リピートする!」と固く誓っていない弾丸旅行者に交通系ICカードは、あまり向いてないのかなぁと思う。(それに、安くて便利なので、思った以上にタクシーを使ったからカードは要らなかったな、と思う人も多そうな気がする。)
悠遊卡(ヨウヨウカー)、一卡通(イーカートン)買うならどっち?
台湾の交通系ICカードについて調べていると、悠遊卡と一卡通、2種類が出てくる。その違いは、SuicaとICOCAのようなもので、使われている地域とキャンペーンが主なところだ。
台北観光がメインになるなら、台北発のICカード「悠遊卡」を購入すると良いし、台南観光がメインであれば高雄発のICカード「一卡通」を購入するのが良いだろう。例えば、「悠遊卡で九份には行けるけれど、帰りは使えない(市外だから)」というように、どちらのカードを購入しても、台湾全土で使えるというわけではないので、行き先には注意しながら使いたい。
チャージはどちらも駅の券売機やコンビニエンスストアなどで可能。
ちなみに日本語で「チャージ」と言った時と、台湾語で「加値(ヂャージ)」と言った時の発音が似ているためか、結構すんなりコンビニエンスストアでもチャージができるので、「喋れないけど、どうやってチャージしたら良いんだろう!」等は、あまり心配しなくても良かった。
台湾ローカルバス旅が快適になるオススメアプリ「台灣公車通」
ローカルバスを乗りこなそうと思っても、いつ来るのかわからなければ不安なもの。Google Mapsのバス情報も少しずれているようだし、どうしようと思った時に役立つのが、この「台灣公車通」というアプリ。
リアルタイムでバスの動きが追えるので、暑い屋外での無駄な待ち時間や、「来なかったらどうしよう」という不安やイライラを感じることなくローカルバスを乗りこなすことができる。慣れれば日本より便利かも!?
リアルタイムでバスが追える!「台灣公車通」
アプリをインストールして、開くと出てくるのがこちらの画面。
見慣れない漢字もあり、ウっと思うけれど、良く見たら(見なくても)都市名が書いてあるので、そこをタップすると、乗りたいバス番号の検索画面に飛べる。
(台湾のバスは行き先も書いてあるけれど、全てに「1841」のようなバス番号が付いているので、とても見分けやすい!)
ちなみに左上の「公路客運」は都市間を結ぶ長距離バスの路線のことで、空港バスなんかはここから探すことができる。
台北から桃園空港行のバスを探すために「公路客運」を選択すると、数字のキーボードが表示されるため、空港行のバス番号を打ち込んでみる。
「184」まで打ったところで「桃園國際機場(桃園空港)」行きのバスが4種類表示された。
そのうちの1つを選択すると、バス停の名前がザっと表示された。
この赤い「進站中」の駅に向かって現在バスは走っており、水色の駅の横の数字は到着までの時間、通り過ぎた後や出発前は灰色のステイタスになっている。
詳細に意味が分からなくとも感覚で使えるのも嬉しいし、本当に正確なので10分切るとほとんど早かったり遅れたりということが無く、とても快適にバスを待つことができるのが何よりも最高だ。
4日間の滞在中に10回以上は使ったけれど、「台灣公車通」のアプリが狂うことはなかったし、現地の友人も「このアプリは絶対!」と言っていたので、よほど当てにして大丈夫だと思われる。
おかげで、ぎりぎりまで買い物をしたり、カフェで時間をつぶしたりすることができ、公共交通機関の不便さを味わわずに済んだ。
ちなみに、バスや地下鉄等、台湾の公共交通機関やタクシー等、乗り物の中ではガムや飴を含むすべての飲食が禁じられており、旅行者ももちろん例外なく罰せられる。しかも、その罰金はNT$3000以上(約15,000円!!)と、衝撃の金額なので、車内での飲食には十分気を付けたい。
飲食しなければ、ジュースの持ち込みが禁止されているとかいう訳ではないのでご安心を。
乗れると便利なローカルバスを使いこなして、台湾ステイを楽しみつくす
ちょっと短期旅行者向けではないかもしれない台湾の交通系ICカード「悠遊卡」だけれど、公共交通機関で使う分には非常に便利だった。(コンビニエンスストアではクレジットカードが使えるので、わざわざ現金でチャージしなければならないICカードで支払う意味は無いのかも。)3Dでキーホルダー型の悠遊卡もあるそうなので、購入するならばそういうのを選べば、とても台湾らしい思い出の品になるかもしれない。(空港のコンビニエンスストアでは3D悠遊卡は売っていなかった……。)
慣れると非常に便利なバスアプリ「台灣公車通」は空港に着いた瞬間から使えるので、バスを使う予定のある方は、ぜひ準備をしていってほしい。
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