北欧映画!アイスランドの「女性の休日」レビュー&関連イベント紹介

女性の休日 アイスランド

1975年10月24日、アイスランド全女性の90%が仕事や家事を一斉に休むという、前代未聞のムーブメントが起こった。
世界を変えた、知られざる運命の1日をドキュメンタリー映画にした「女性の休日」は、まさにシスターフッドの傑作!

そんな「女性の休日」にインスパイアされ、2026年3月6日(金)~3月12日(木)の間、日本でも『「女性の休日」WEEK』なるものが開催されるので、映画の見どころや背景、そして魅力をゆる~く紹介してみようと思う😊

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“ やるの?できるの?必ずやる! ” 「女性の休日」あらすじ

「もしも女性が一斉に家事も仕事も休んだら……?」
そんなまさかの「もしも」を、50年以上も前に実行に移した人々が居た。
今では世界一平等で、世界一平和な国だと言われるアイスランドの女性たちだ。
彼女たちもまた、賃金格差や女性偏重の家事負担など、今、日本の私たちが共感できるたくさんのことに悩んでいた。

“ やるの?できるの?必ずやる! ” 
立場を超えてアイスランド中の女性が集結した「女性の休日」、参加率はなんと女性の人口の90%!
首都レイキャヴィクの広場は女性たちで埋め尽くされていた。

会社や家庭に残された男たちの力だけではもちろん社会は維持できず、その日アイスランドは機能不全に陥ったことで、その後の歴史を大きく変える1歩を踏み出した。

映画「女性の休日」予告編

1970年代アイスランド、「女性の休日」前夜

低い賃金、偏る家事負担でボロボロになる女性たち

1970年代のアイスランドは、現在の日本のように、女性の賃金は男性よりも大幅に低く、社会的な地位も低い状況だった。

  • ちなみに、現在日本の男女賃金格差は……
    「令和5年分 民間給与実態統計調査」によると、現在働き盛り世代(34-44歳・既婚者)の年収分布の 男女格差は衝撃の「250万」!!(男性570万ー女性320万)
    女性は男性の3/4以下の給料で働いている、酷すぎる……

そして、これまた日本のように、家事負担は女性に偏っていた。
本編では、クリスマスを迎えるために大掃除し、特別な食事やお菓子を作り、家族全員が服を新調できるように全員分の服を手作りし、家事で食事も喉を通らないほど疲れ果て、ボロボロになった主婦の姿が描かれている。

  • ちなみに、現在日本人女性の家事比率は……
    2024年の『国立社会保障・人口問題研究所「第7回全国家庭動向調査」』によると、日本人女性は家事の「8割」を担っている。共働きカップルですら、 女性の家事は平日平均約3時間、男性は約1時間にも満たない。「名もなき家事」を入れたら、9割以上を女性が担っていることになっちゃうんじゃないかな。日本人女性の平均睡眠時間は7時間6分と世界一短い。(もちろん日本人男性よりも短い!)

そして、もっと余談だけど1970年代、日本の女性の社会進出率は、なんとフィンランドに続く世界第3位!あれ?なんで今こんなことになっちゃってんだろ?(´;ω;`)

#わたしが一日休んだら

ある年、女性だけが胸の大きさやお尻の形、美しさを競わされるミスコンに異議を申し立てるため、デンマークの女性活動家「レッドソックス」にインスパイアされた、アイスランドの「レッドストッキング」たちは、ミスコン会場に真っ白で美しく大きな胸を持つ牝牛を送り込み、ミスコンをぶち壊すことに大成功した。

同時に、ラジオで当時はタブー視されていた生理やセックスについて扱う放送も行い、レッドストッキングたちはその存在感を強めて行った。

そして、運命の1975年。その年を「国際女性年」と定めた国連の動きに後押しされ、女性たちは自らの権利向上を訴える大規模な抗議活動を計画する。
ありとあらゆる不平等に対して、不満はマグマが噴火するように爆発し、女性たちはこう考えた。

「わたしたちが1日仕事を休んだら、上司は困り果てるはず。そうしたらようやく、男性たちと同じ給料にしてくれる?」

集まった女性たちはその場で決起文を作り署名をしていった。
「ストライキ」という言葉で始まったその決起集会は、保守的な層も含めたより多くの女性が参加しやすいように「女性の休日」というソフトな表現に変えられ、その結果、主婦も働く女性も一丸となった空前のムーブメントを巻き起こす。

改めて言葉のマジックってすごいと思う。
「ストライキ」を「休日」って言い換えるだけで、たくさんの人に伝わるから。

「マイルドになり過ぎて不本意」
「でも、やってることはストライキだった」

って本編中で当時を振り返るレッドストッキングのメンバーの晴れやかな自信に満ちた表情、めっちゃかっこ良くてぐっとくる。

1975年10月24日、「女性の休日」で社会機能は麻痺状態に

「女性の休日」に賛同する人々は、レッドストッキングのメンバーを中心に、全国に「女性の休日」のチラシを作成して送り、親戚や友達に電話をかけ、行きつけのお店やスーパーだけでなく、道行く女性にも声をかけて「女性の休日」の実施を、数か月かけて地道に呼びかけ続けた。

努力は結実し、1975年10月24日は、アイスランドにおいて「女性の休日」(Kvennafrídagurinn)として知られる、歴史的な一日になった。
その日、アイスランドの女性たちは、賃金労働と家事労働の両方において、社会に貢献していることを示すために大規模なストライキを決行する。

14時、アイスランドの女性たちは、職場や家庭から一斉に離れた。記者も保育士も銀行員も、電話交換手も主婦も、船の上で波に揺られる掃除婦たちも、みんなみんな一斉に。
アイスランド全土で約90%もの女性が参加し、国中のありとあらゆる場所で社会機能は麻痺状態に陥った。
首都レイキャビクでは、2万5千人以上の女性がデモ行進に参加し、広場は自らの権利を訴える女性で埋め尽くされていた。

本編では当時の映像や新聞が見られるのだけれど、埋め尽くされた広場に居るのが全て女性だなんて本当に信じられない。

保育所は閉鎖し、学校は休校、工場やオフィスも機能停止。
夫や父親は子供を職場へ連れて行き、その日、初めての家事を経験することになった。
料理ができない父親たちは手軽に食べられるホットドックを作るために、街中のウインナーを買い漁り、ウインナーが売り切れるなんてエピソードも残っている。

しかも本編で紹介されているのは、ウインナーすら茹でられなかった父親の話。
日本でやってもそうなりそうで、ちょっと笑えない!

「女性の休日」で、歴史を大きく変える1歩を踏み出したアイスランドは今

「女性の休日」は、アイスランド社会に大きな衝撃を与えた。
男性たちは、女性たちが担ってきた労働がいかに重要であるかを痛感し、アイスランドは劇的な変化を遂げることになった。

翌年の1976年には、アイスランドで男女平等を推進する法律が制定され、5年後の1980年には、船長になりたかった少女ヴィグディス・フィンボガドゥティルが、世界初の民主的な選挙で選ばれた大統領としてアイスランド大統領に就任したのだ。

2024年(映画制作時)の女性国会議員は約半数の48%、ロースクールの卒業生は女性の方が多く、最高裁判官など様々な重要な役職を女性が担っている。
これは、「女性の休日」が女性の政治参加を促進した結果に違いない。

そして、2026年現在、アイスランドは、17年連続で「ジェンダー平等が最も進んだ国」として、世界のトップを走り続けているだけでなく、完全な平等を目指して声をあげ続けている。

やるの?できるの?必ずやる!アイスランドの「女性の休日」

映画のエンドロールはアイスランドの歌姫Bjorkの「future forever」。

「女性の休日」は、アイスランドの女性たちが家事や育児を一斉に放棄し、女性がいなければ社会が回らないということを証明すると同時に、女性たちは社会を変える力を持っているということを示す、まさに歴史的な1日だった。

そして、「女性の休日」は、アクティビストだけでなく、”普通”の女性たちも連帯して踏み出した力強い一歩の記録であり、誰もが生きやすい社会のために「いまを変えたい」と思う人々に、勇気とインスピレーションを与えてくれる。

アイスランドが世界一を獲得した、「2025世年界経済フォーラム発表・ジェンダーギャップ指数」で日本は148か国中118位。特に、経済や政治の分野で女性は周縁化されていて、OECD加盟国の中ではぶっちぎって最下位。
この数字って、お隣の韓国や中国よりも低く、前後はヘジャブや伝統衣装で女性の身体を拘束するのが当然だったり、女性は夫の所有物とみなされたりしているような国ばかり。
ちょっとやばくない?

アイスランドの女性たちの連帯の記録を辿りながら、日本に住むわたしたち女性の「もやもや」を言葉にすることで、私たちも新しい一歩を踏み出すことができるはず!
そんな気持ちにさせてくれる「女性の休日」、気になってるなら見るしかない。
やろう!できる!必ずやる!

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