「ドナーミルク」、「母乳バンク」。
どちらも早産しなければ、知らなかったかもしれない。
母乳は、早産で産まれてきた赤ちゃんにとっては薬のようなものだそうで、様々な病気や感染症を予防し成長を助ける効果があるから、いち早く摂取することが推奨されているんだって。
それでも、様々な理由で母親が赤ちゃんに母乳を与えることができない時に、つなぎとして使われているのがこの「ドナーミルク」で、それを提供しているのが「母乳バンク」。
緊急帝王切開後に目が覚めるまでの間や、母乳が出るようになるまでの数日間、我が家でも大変お世話になった。
登録施設が限られているため田舎住みではなかなか難しい面もあるけれど、登録施設まで行ってしまえばあとはめちゃくちゃ簡単に登録&寄付ができるので、もし時間や余裕や、やってみたいという気持ちがあるなら、せっかくなので登録するのがおすすめ!
搾乳機をいただけるなど母乳バンクからのサポートも手厚すぎるし、シンプルに自己肯定感が上がる!
「ドナーミルク」を提供してくれる「母乳バンク」
国内には3か所ある!「母乳バンク」
「母乳バンク」は、早産児や1,500g未満の極低出生体重以下の赤ちゃんに、病院のNICU(新生児集中治療室)からの要請に応じて、各地の母親から提供された母乳を適切に管理して、それを「ドナーミルク」として提供する機関だ。
1日にドナーミルクを必要とする赤ちゃんは5000人。
1909年に世界初の母乳バンクがウィーンで誕生して以来、今では実に世界66か国750か所以上に広がりを見せており、日本では以下の3か所で母乳バンクが運営されている。
- 一般社団法人日本母乳バンク協会
- 一般財団法人日本財団母乳バンク
- 藤田医科大学病院
「ドナーミルク」は小さい赤ちゃんの命綱

母乳育児にまつわる諸説紛々は一旦置いておいて、体重1,500g未満で産まれた極低出生体重以下の赤ちゃんにとって、母乳は、慢性肺疾患や未熟児網膜症、壊死性腸炎などの病気や、感染症が重症化する重症感染症などを予防する効果があると言われているそう。
特に、壊死性腸炎については、人口乳を与えた場合は母乳の3倍も罹患のリスクを負うことになるらしいから、小さく生まれた赤ちゃんにとって、母乳は死活問題だ。(Pigeon.infoぼにゅ育より、下記の通り引用)
ー早く小さく生まれた赤ちゃんにとって、人工乳よりもドナーミルクの方がベストである理由をもう少し詳しく教えてください。
「ドナーミルクには、壊死性腸炎の予防効果があるためです。1500g未満で生まれた赤ちゃんに多く見られる、腸の一部が腐ってしまう壊死性腸炎は、生死にかかわる疾患です。この壊死性腸炎は、母乳で育てたときよりも人工乳で育てたときのほうが3倍も高い確率で起こることがわかっています
それなのに、早産や母親の病気など、緊急手術で産まれた場合なんかは、母乳を摂取することが難しい場合が多くある。
そんな時に母乳バンクから提供されたドナーミルクが、母親の母乳が準備できるまでの命綱として、医療現場では活用されている。
「母乳バンク」、ドナー登録できる施設は全国53箇所で!
「すごい!登録したい!」と思った時に、ひょっとすると1番ネックになるのが登録施設かもしれない。
というのも、母乳バンクは全国津々浦々に1か所ずつあるよ、というんではなくて、割と都会に施設が集中しているため、残念ながらなことに母乳バンクが存在しない都道府県もある。
ちなみに私が住んでいる県にも母乳バンク登録施設は存在しない。
産後で身体が回復していない中遠方まで登録に行くのは、実質不可能のようなものなので、もっと認知度が上がって、1県1か所ぐらいあれば本当良いのになぁと思う。
各母乳バンクが登録施設を一覧にしてくれているので、興味があれば見てみて欲しい。
一般社団法人日本母乳バンク協会でドナー登録を募集しているのは、以下29施設。
ドナー登録について
一般財団法人日本財団母乳バンクでドナー登録を募集しているのは、以下28施設。
ドナー登録施設一覧
いざ、「母乳バンク」に登録してみよう!
登録要件は「子どもが飲む分以上に母乳が出ること」など
母乳バンクのドナー登録にはいくつか条件があり、これらを全て満たす必要がある。
- お子さんが必要とする以上に母乳が出ること
- これまでに輸血や臓器移植を受けていないこと
- 妊娠時およびドナー登録時の血液検査(※)結果に異常がないこと
- 過去3年間に白血病やリンパ腫など悪性腫瘍の治療歴がないこと
- タバコ・アルコール・薬剤のチェック条件を満たしていること
- 少なくとも2ℓ以上の母乳を提供していただけること(1回の配送は1ℓ以上)
登録の注意事項にもあるけれど、「ドナー登録可能時期は、産後1か月健診を終えてから」。
特に「人工乳は一切与えていないうえで余剰分の母乳を提供できること」というのが繰り返されていることからも分かるように、ドナー登録はあくまでも無理のない範囲での実施が肝要だ。
(※)ドナー登録時の血液検査は母乳バンク負担なので無料で受けられる!
日本母乳バンク協会に登録してみた
最寄りの施設をチェック、登録要件を満たせることを確認できたら以下のステップで登録が完了!
登録するのは、隣県に施設の合った日本母乳バンク協会にした。
①申請フォームに必要事項を記入
まずは、以下の申請フォームに住所、氏名、希望登録施設、登録要件を満たすことなどのチェックを入れて送信する。
ドナー登録を考えていらっしゃるお母さまへ
協会にメールを送付してから、約1週間で返信がいただけた。
希望登録施設とのやり取りは、全て協会の方が間に入って対応してくださるので、こちらは希望を記載するだけで予約する手間などは一切かからなかった。
②予約日時に施設を訪問して面談(約2~3時間)
予約当日は身一つで予約施設を訪問するだけ。
当日の血液検査は以下の項目が必要なんだけど、妊娠中に検査していることが多いと思うから、半年以内の結果なら持参すると、当日の検査は不要!
梅毒又はTPHA、RPR、STS、VDRL; HTLV-1又はATLA; HBs抗原/B型肝炎; HCV抗体/C型肝炎; HIV抗体のスクリーニング検査
事前に「当日は面談と血液検査で2~3時間ほど必要」と聞いていたけれど、血液検査結果を持参すると、助産師さんとお医者さんから母乳バンクの説明を受けるだけで済んだので、面談は1時間ぐらいでサクッと終わった!
血液検査の結果を持参すると、ドナー登録は施設訪問からたった3日で完了♪
③面談当日に搾乳セットなど手厚い支給品あり!
登録してみて1番驚いたのが、支給物資の手厚さ!

搾乳機は手動のものが、Pigeon2種類とカネソンの計3種類から選ばせてもらえた。
こちらはドナーミルク用にいただいた、Pigeon母乳アシスト搾乳機。手厚い!

当日配布される母乳バックは80ml×50枚入りが2箱。
母乳量は、それよりも多い・少ないがあると思うので、使い切ったらジャストサイズの母乳バックを再び支給してもらえるそうだ。
(Pigeon 40ml、80ml、160ml、カネソン100mlから選択可能、手厚い!)

衛生面を考えて、毎回の煮沸に加えて月2回ほどスチーム消毒も実施して欲しいということで、「medela 電子レンジ除菌バッグ」もいただいた。手厚い。

母乳送付用の保冷剤、保冷バック、母乳保管用ビニール袋、送付伝票までしっかりセットになったものをいただいた。
母乳を送付するために我が家で用意するものは、母乳を入れる段ボールだけ。
母乳が溶けてはいけないから、と、ヤマトも自宅まで受け取りに来てくれる伝票だし、本当に登録さえしてしまえばあとは母乳を絞るだけ!手厚ーーーーい!!!!
絞らなきゃ乳腺炎になるのだし、棄てたら悲しい気分になるので、送らせてくださいお願いしますって感じなのに、ここまでサポートしてもらって恐縮です!
もう、めっちゃ送る!!笑
「ドナーミルク」今度は送ります!

という訳で、1回ミニマム1ℓ以上の母乳を入れて2~3週間に1回、冷凍庫がいっぱいになったら送っている。
棄てなくて良くなったから、意味不明に食べてみるとか謎の作業も減ったし、家でひたすら母乳絞ることに疲れてもメッセージカード(しかも手書き!)いただくと癒されるし。
あ、絶対忙しいと思うから、手書きじゃなくてもお気持ちは十分受け取れるかなとも思いますが!
母乳バンクありがとうって、こちらこそ何回でも言いたい!
これからもっと広まりますように!!


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